介護職は人手不足の事業所が多いので、経験者でなくても転職は比較的容易だといわれている。一般に介護職といえば高齢者介護がメインになるが、身体的傷害を負った人のサポートや知的障がい者の移動支援などもあり、施設によって働き方も求められるスキルも異なる。また、高齢者介護の場合は、老人ホームなどのような入所型施設に勤務するだけでなく、在宅者向けのサービスを展開する訪問介護や訪問入浴サービスなどもあり、多岐にわたる。したがって、転職する際の選択肢は幅広いのが特徴だ。
ただし、介護職の採用や待遇には資格の有無が大きく左右するので、転職前に一定の資格を取得しておくことが好ましい。異業種からの新規参入者は、まず一ヶ月程度で取得できる介護職員初任者研修を取得し、働きながら介護職の実務経験を積むことが望ましいだろう。
そして、介護職としてステップアップするためには、国家資格である介護福祉士を目指すことをおすすめしたいが、未経験の場合は直ちに介護福祉士の資格を取得することはできない。なぜなら、介護福祉士の資格を取得にするには、介護施設での実務経験が3年以上必要であり、なおかつ介護職員実務者研修を修了しておくことが資格試験を受験する条件となるからだ。
介護職員実務者研修とは、介護職員初任者研修のひとつ上の資格であり、この資格があればサービス提供責任者として勤務することが可能だ。そのため、異業種から介護職にチャレンジする場合は、介護職員初任者研修を終えた後、働きながら介護職員実務者実務者研修を受講して、介護福祉士を目指して努力してほしい。